あなたはビルメンになって最初に必要な資格をご存知ですか?
ビルメンという仕事に興味を持ち、色々調べていくと「ビルメン4点セット」という言葉を知るかと思います。
この記事では「4点セットって何だ?」という方のために、ビルメン必須の4つの資格について紹介と解説をしています。
ビルメンにとっては絶対に知っておきたい知識なので良ければ読んでみてください。
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ビルメン4点セットとは?
結論から言いますと、ビルメン4点セットとは以下の4つの資格のことです。
- 第二種電気工事士(電工)
- 危険物乙4(乙4)
- 二級ボイラー技士(2ボ)
- 第三種冷凍機械責任者(3冷)
ビルメンテナンス業界において資格というのはとっても重要です。
資格を持っていることで転職にも非常に有利になりますし、資格手当などの形で年収を上げることもできます。また資格を持っていることで職場内での評価も上がります。(もちろん資格が全てではないですが。)
4点セットを持っていることで「電気や冷凍サイクル、危険物やボイラーについて最低限の知識は持っているんだな」と思われることもメリットです。
これらの4つの資格は「ビルメンになる前」もしくは「ビルメンになって1~3年以内」にまずは取ってくれと会社から言われる資格になります。
ビルメン初心者の方はこれらの資格を目指して勉強していくわけです。
ちなみに4つ全て国家資格なので取れると結構嬉しいですよ。
私は4点セットは全部合格して揃えていますので、実体験から各資格の難易度や取得順などの解説をしていきます。
ビルメンなら危険物乙種4類は取っとけ|おすすめ参考書と勉強時間
失敗しない!第三種冷凍機械責任者に独学で受かる勉強方法のコツ
ビルメン4点セットの難易度
第二種電気工事士>>第三種冷凍機械責任者>>>>>>二級ボイラー技士>>>危険物乙4
個人の感想なので人によって多少順番は違ってくるかもしれません。
マークシートの筆記試験だけを考えたら冷凍3が一番難しいと思います。
しかし第二種電気工事士という資格は筆記試験と実技試験があって少々厄介なものなっています。
手先の器用な人は実技試験も大丈夫だと思いますが、不器用な人は結構練習した方が良いかもしれません。
私は不器用なので、実技試験には苦労しましたしかなり練習しました(笑)
ビルメン4点セットの合格率の比較
- 電工・・・約45%(筆記試験と実技試験を両方クリアした人)
- 乙4・・・約30%
- 3冷・・・約31%
- 2ボ・・・約57%
合格率で見てみると上記のようになります。
資格勉強をやっていたら分かる人も多いと思いますが、どれもかなり高い数字です。
個人的な感覚だと「20%以下だと結構勉強しないと難しいかな?」という感じですが、30~50%なら真面目に勉強すれば普通に合格するので安心してください。
注意しないといけないのは第三種冷凍機械責任者のみです。
3冷は平成26年度が19%、平成27年度が26%とそこそこ難化しました。
ちなみに私は平成27年度に一発合格しました。
ただ、最近はまた合格率も4割近くに上がってきているので3冷が欲しい人は早めに受けておくと良いでしょう。
私も3冷の勉強をしてその後受験して思いましたが、3冷はいやらしい問題が多いです。
2級ボイラー技士や乙4みたいに過去問と全く同じ問題が出て丸暗記をすれば楽勝!といった感じではないので気を付けてください。(そうは言っても普通に勉強すれば普通に受かります)
↓近年の第三種冷凍機械責任者の合格率の推移↓
平成26年 | 19.0% |
平成27年 | 25.9% |
平成28年 | 34.8% |
平成29年 | 37.0% |
平成30年 | 39.8% |
ビルメン4点セットの勉強法
どの資格を取る時にも言えますが、合格するコツは「完璧主義にならない」こと。
国家資格というのはだいたい100点満点中60点取れば良いので基礎とポイントを押さえた勉強が効率が良いです。
「50点実力で取って、あとは適当にマークしたら10点当たってて合格した」なんて場合でも合格は合格です。
資格は合格か不合格のどちらかしかなく取ったもん勝ちな部分があるので「最短で合格すること」を目標にコスパ良く勉強していきましょう。
私はいつも「70~80点を目指して要点を押さえた勉強をして、試験当日はちょっとミスをしたとしても60点ちょっと超えるくらいは点を取れる」というような勉強をしています。
詳しい勉強方法や参考書の選び方などは別の記事にして紹介していきますので良ければそちらも読んでみてください。
ビルメン4点セットは全て独学でOK
私自身も4点セットは全て独学で勉強しました。
どの資格も1~3ヶ月しっかり勉強すれば合格圏内には到達するはずです。
筆記試験が一番難しい冷凍三種だけに気を付けていれば大丈夫。
乙4やボイラーに至っては内容がよく分かっていなくても過去問を丸暗記するだけで合格できてしまいます(笑)
筆記試験はそんな感じですが、第二種電気工事士の実技試験だけは独学だときついかもしれないので、可能なら職業訓練を利用することをおすすめします。
職業訓練なら合格するためのコツを直接指導してもらえるし、実技に必要な電線も使い放題で財布に優しいです。
【ポリテク】未経験者がビルメンになるには職業訓練を利用することが絶対おすすめな理由
【職業訓練】ビル管理科と電気科どっちが良い?【ビルメン就職】
ビルメン4点セットの勉強時間の目安
- 第二種電気工事士 100時間
- 危険物乙4 30時間
- ボイラー2級 30時間
- 冷凍三種 80時間
上記の時間は私が独学で実際に勉強した時間を測ったものです。
一応の目安にはなるかもしれません。
ビルメンに必要な資格の勉強時間を詳しくまとめた記事を下に貼っておきます。
ビルメン4点セットを取得する順番は?
- 第二種電気工事士
- 危険物乙4or二級ボイラー技士
- 第三種冷凍機械責任者
まず一番大事で最優先で取っておきたいのは第二種電気工事士です。
4点セットと一括りにしていますが電工が頭一つ抜けて需要があるので、絶対に取ってください。
第二種電気工事士があるか無いかで、転職できるか出来ないかも大きく違ってきます。
特に未経験者がビルメンに転職する場合、電工を持っていると非常に有利です。
極端な事を言うと、電工がメインでその他はオマケとして考えても良いくらいです(笑)
なんでここまで第二種電気工事士の資格が重要かというと、やはりビルには電気が絶対に通っているし、設備管理において電気の知識は必須だからです。
また、簡単な配線やコンセントの交換などの軽微な電気工事の作業でも資格を持っている人がやらないといけないので、そもそも資格がないと仕事ができません。
第二種電気工事士は年に2回試験があるので、直近の試験日を確認して忘れずに申込みをして、試験当日までにしっかり勉強&練習をしておきましょう。
第二種電気工事士の受験計画を立てたら次は乙4か2ボをお好みで。
どちらの資格も試験日は多いし、過去問を回して丸暗記したらある程度合格はできると思うので好きな方を受けましょう。
個人的におすすめは乙4の方です。
これがあればビルメンだけじゃなくセルフガソリンスタンドの夜勤とかもできるようになるので、持ってて損はないと思います。
それに二級ボイラー技士は3日間の講習を受けたり、その講習に数万円のお金がかかったりと取得するのが結構面倒くさいです。
そして最後は第三種冷凍機械責任者を取りましょう。
この資格は年に1回しか試験がないのと、試験がまあまあ難しいという理由で優先順位では一番下になります。
3冷を持ってたら資格手当が出る会社も多いですし、4点セットのコンプリートはビルメンの第一歩という部分もあるので頑張ってここまでたどり着いてくださいね。
冷凍サイクルの勉強は個人的には面白いと思いますし、その知識は仕事でもきっと役に立つはずです。
参考記事:ビルメンが最低限取るべきたった2つのおすすめ資格【良コスパ】
ビルメン4点セットを取得するメリットとは?
資格を取るとこんな良いことがあるよという内容を紹介します。
モチベーションの維持に役立ててください。
未経験からでも設備の仕事に就ける
ビルメン業界は人手不足で、無資格でも未経験でも挑戦することは可能です。
しかし会社によっては、
- 4点セットのどれかを持っている
- 職業訓練を出ている
- 電工などの関連職を経験している
このような条件をつけるところもあります。
こういった企業にも応募が可能になり、選べる会社の幅を広げることが出来るのがメリットです。
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やる気をアピールできる
未経験の人でも現役のビルメンでも資格取得を頑張っている人は結構周りから評価されます。
というのも、意外と資格を全然取らないビルメンって多いんです。
電工だけとか、危険物乙4だけって人もわりと多いのがこの業界です。
だからこそコツコツ資格を取っている人は評価されるのです。
個人的には資格を取るだけでこんなに評価されて、周りの人もそれほどやる気がなくて競合が少ないビルメン業界はなんて良い業界なんだろうと思います。
資格手当で年収アップ
多くのビルメン会社で資格手当という制度を設けています。
4点セットなどの資格を取ると、毎月手当として数千円がもらえる感じです。
ビルメンは給料が安いですから資格手当の数千円と言えども馬鹿には出来ません。
塵も積もれば~で、少しずつ資格を取って年収を増やしていくことが出来ます。
これは4点セットの大きなメリットです。
年収が上がると考えたら勉強するやる気が出てきます(笑)
知っておきたいビルメンの資格手当一覧!【相場はどれくらい?】
出世に繋がる(昇進や昇格)
ビルメン業界で管理職などになるためには4点セットくらいはさすがに持っていないといけません。
資格を取っていれば「あいつは頑張っている」と評価されやすいし昇進や昇格の要件になっている場合もあります。
「なんで業務時間外に資格なんて勉強するんだよ」という声も聞こえてくる気がしますが、そこは仕方ないですね。
資格手当も出るからと割り切るしかありません。
いずれにせよ出世や資格手当、会社内で認められるには資格取得の道は避けては通れないと思います。
まあ、ビルメン歴が長くなっても所長になってはいけない3つの理由の記事で書いたように出世する事自体はあまりおすすめしませんが(笑)
ビルメンは乙4だけでも大丈夫?
なるべくなら資格を取りたくない。
取るとしても最低限が良い。
なら乙4だけでも良いのでは?
こんな風に考えるビルメンもいるかもしれません。
実際乙4だけとか、乙4+2ボだけみたいな人もいるんですよ。
それでも経験があってちゃんと仕事するのなら特に問題ない場合がほとんど。
取らない人は本当に全然取らないですからね。
でもやっぱり個人的には4点セットくらいは取っておいた方が後々自分のためにも良いかなと思います。
後から資格マニアの上司がやってきたら最悪ですからね笑
4点セット+入門実務本で完璧!
ビルメンになりたての人は資格勉強だけで精一杯だと思います。
資格勉強の知識はビルメンの業務にも役立つものばかりで、勉強しておいて損はありません。
その上でもし余裕があれば入門実務本の類を読むことが出来れば完璧です。
入門実務本とは下記の記事で紹介していますが、簡単に言うと一般的なビルに使われている設備の基礎的な知識がバランス良く学習できる本です。
資格本だと、どうしても「試験に受かるための知識」に偏りますが、これらの本だと実務に役立つ内容をコンパクトに簡潔に勉強できますよ。
余談:「ビルメン5点セット」を解説
余談になりますけど、ビルメン5点セットという言葉もあります。
これは4点セット+消防設備士のことです。
消防設備士という資格は乙1~7、甲1~5、甲特と非常に種類が多いことが特徴です。
設備管理の仕事において消防関係は人命にも関わる非常に大切な事です。
ですので消防設備士の勉強をして資格を取り、消防の知識を身に付けることは重要です。
消防設備士を取って資格手当が出る会社も多いですし、4点セットにプラスして取るように言われることもあると思います。
それほど難しい資格でもないので4点をコンプリートしたら次に狙ってみるのはどうでしょうか?
5点セットを揃えたらビルメン資格としてはとりあえず第一段階が完了といった具合です。
余談2:「三種の神器」について
4点セットor5点セットを基本資格だとすると、その上位に位置する資格が3つあります。
それは、
- 建築物環境衛生管理技術者
- 電験三種
- エネルギー管理士
これらのことで総称して「三種の神器」とも言われます。
これらの資格を持っていたらビルメンとしたら一人前です。
転職にもめちゃくちゃ有利になります。
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まとめ
- ビルメン4点セットとは第二種電気工事士、危険物乙4、二級ボイラー技士、第三種冷凍機械責任者のこと
- 転職・年収アップ・評価アップのために取得する
- どの資格もそこまで難しくないので真面目に勉強すれば大丈夫
- 最優先で取得するべきは第二種電気工事士
- 資格を取る時は完璧主義を捨てて効率良く勉強する
- 消防設備士も取って5点セットを完成させよう
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